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日高 昭秀; 中村 武彦; 工藤 保; 上塚 寛
JAERI-Research 2001-055, 48 Pages, 2001/12
シビアアクシデント条件下における燃料からの放射性物質放出を調べるVEGA計画の第1回目実験であるVEGA-1を1999年9月に行った。試験燃料は、燃焼度47GWd/tUのPWR燃料ペレット2個(被覆管無し)であり、大気圧,He雰囲気条件で2773Kまで昇温した。Csは1650K以上で放出し始め、最終的な放出割合は約85%に達した。Ruの最終的な放出割合は4.7%,CeとEuのそれはゼロであった。実験後に行った研究燃料に対するミクロ組織観察では、FPガス放出に伴って生じたと考えられる直径数mの気泡が多数観測された。Cs放出に関して既存の放出モデルを用いて評価した結果、燃料と被覆管の共晶反応が生じる高温域で計算は実験より過大となった。Cs放出データをUO結晶粒内の拡散係数で整理すると、アレニウス型にほぼ従うことから、Cs放出は粒内拡散が律速であったと考えられる。
桜井 勉; 高橋 昭; 石川 二郎; 古牧 睦英; 大貫 守; 安達 武雄
Journal of Nuclear Science and Technology, 30(6), p.533 - 541, 1993/06
被引用回数:5 パーセンタイル:50.57(Nuclear Science & Technology)使用済燃料溶解液中の残留ヨウ素の主成分は、従来、ヨウ素酸(IO)と考えられ、NO吹き込みによるヨウ素追い出しが提案されている。しかし、最近の原研化学部の研究では、主成分はコロイド状ヨウ素である可能性が高くなってきた。しかし、強放射線のため、溶解液中のヨウ素化学種を直接同定することは困難である。このため、PWR使用済燃料溶解液中のヨウ素追い出しの際のヨウ素の挙動と熱化学的考察とから溶解液中のヨウ素化学種を考察し、次の結果を得た。(1)溶解槽(約100C)中のNO濃度は、これまで室温の溶解オフガスについて報告されているNO濃度より高い、(2)このため4モル硝酸中ではIOは熱化学的に生成し得ない、(3)溶解液中のヨウ素化学種の主成分はコロイド状ヨウ素である、(4)NOはコロイド状ヨウ素の分解を妨げる方向に作用する。
中村 仁一; 池田 弘章*; 古田 照夫; 森 一麻*
JAERI-M 91-027, 36 Pages, 1991/03
PWR版FEMAXI-IIIコードを用いて、ハルデン炉で行った軽水炉燃料出力急昇試験についての検討を行った。照射実験データによるコードの検証を行い、クリープダウン、燃料棒直径変化、リッジ高さについては、計算値は実測値と良い一致を示し、PWR版FEMAXI-IIIコードが、PWR型燃料棒の挙動解析に十分な性能を持つことが示された。また、このコードを用いてペレット形状の効果及び燃焼度の効果を明らかにした。一方、試験炉による出力急昇試験条件の違いについても検討を行い、炉型及び燃料仕様による出力急昇時の燃料挙動への影響を調べた。その結果、商用PWR条件及びハルデン炉条件でそれぞれ出力急昇試験を行った場合、燃料中心温度及び被覆管最大応力は、ハルデン炉軽水炉ループ内で照射した場合より、やや大きくなることが明らかになった。
中村 仁一; 古田 照夫; 池田 弘幸*; 森 一麻*
HPR-339/13, 22 Pages, 1991/00
FEMAXI-IIIをPWR燃料用に改良したPWR版FEMAXI-IIIコードを用いて、ハルデン軽水炉燃料出力急昇試験についての考察を行った。出力急昇試験データを用いて、当コードの検証を行い、燃焼度20MWd/kgUOまでの範囲で当コードは、PWR燃料の燃料挙動解析において充分な性能を持つことが示された。また、燃料パラメータについての考察を行い、ペレット形状と燃焼度の効果を明らかにした。このコードを用いてハルデン軽水炉燃料出力急昇試験条件とHBWR条件及びPWR条件での出力急昇時の燃料挙動の比較を行った。その結果、ハルデン軽水炉燃料出力急昇試験では、燃料中心温度、被覆管応力とも、HBWR条件及びPWR条件より小さくなることが明らかとなった。
三島 良績*; 大久保 忠恒*; 大石 政夫*; 青木 利昌*; 児玉 敏夫; 八巻 治恵; 高橋 宏美*; 井上 伸*; 近藤 吉明*; 永野 彰*; et al.
日本原子力学会誌, 31(10), p.1129 - 1143, 1989/10
被引用回数:6 パーセンタイル:59.68(Nuclear Science & Technology)我が国のPWR燃料の信頼性を実証するために、国の計画に基づいて行った試験結果をまとめたものである。標準的な製造工程で作られた10体の燃料集合体を照射し、燃焼度8.4、17.6及び31.4GWd/tの3体について、昭和55年から61年の間に照射後試験を実施した。得られたデータを解析・評価し、PWR燃料集合体の信頼性を実証することができ、また、PWR燃料の安全性研究の基礎となる膨大なデータを収集することができた。